
Sさんが来られていたのは、ちょうど祇園祭の
最中。姉はSさんを宵々山にお連れしました。
母の知人の計らいで、菊水鉾に登らせてもら
い、お守りのちまきをいただいたそうです。
お茶席では、お抹茶と亀廣永の「したたり」と
いう、琥珀色の棹物のお菓子をいただいた
そうです。黒砂糖の香りで、とても
美味しかったらしい。

菊水鉾は、お能の中にある「枕慈童(菊慈童)」
の菊のしたたりを呑んで、七百歳の長寿を保っ
たという、故事にちなんで作られた鉾。
そして、菊のつゆのしたたりにあやかって作ら
れたのが、このお菓子というわけで、菊水鉾に
献上するお菓子として、お茶会で使われてい
ます。
Sさんは、他の日は、ルーブル美術館展に行ったり、河原町でお買い物をしたり、伏見の
大手筋をぶらっとしたりと、のんびりとお過ごしになられた様子。
帰られてからいただいたお手紙には、「ちまき、もう少しで食べるところでした。早速玄関に
飾りました。八日間楽しかった。」と書いてありました。
おひとりで寂しくないかしら・・とちょっと心配でしたが、ゆっくりお過ごしくださったみたいで、
よかった!
Sさま、長いご滞在、ありがとうございました。
今度はご家族とにぎやかにお越しくださいね。お待ちしております。
